タペストリーとは?意味や用途、メリットを解説!
タペストリーはインテリアやグッズ、店舗の宣伝、イベントの装飾など幅広い用途で使用されています。その起源は古く、歴史を追うごとに技術の発展によりさまざまな生地や素材で作られています。
今回はタペストリーについて、基本的な意味や歴史、使用用途、生地の選び方からメリットまで詳しく紹介していきます。オリジナルのタペストリーを作成する時のポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
タペストリーの意味
「タペストリー」のもともとの意味は、麻・ウール・絹などを用いて、絵や模様を織り出した装飾用の壁かけ織物のことです。本来の織物としてのタペストリーは、縦糸を見えないようにして横糸だけで絵柄を表現する絨毯を作る要領、日本でいう「つづれ織り(綴織)」で作られます。非常に手間のかかる製法で作られているため、高級織物とされています。
現在では、織物以外にも布生地や合成紙などがタペストリーの生地として使用されるようになりました。特に日本では、壁や天井に掛けられ、丸めて収納できるようにしたものが一般的にタペストリーと呼ばれています。
例えば、現在は以下のような場面でタペストリーが使われやすいです。
タペストリーの起源と歴史
タペストリーの歴史は古く、古代エジプトの王の墓から麻のつづれ織りが出土しているようです。その後もタペストリーと認識されるもの自体は存在していましたが、タペストリーとして確立されるようになったのは11世紀ごろ、ヨーロッパに伝わったペルシャ絨毯が、模様の美しさを活かすため壁に掛けられたことが起源とされています。
ちなみに、タペストリー(tapestry)は英語で、その語源はフランス語のタピスリー(tapisserie)からきているとされ、中期英語ではtapisseryと表現されていました。
タペストリーの特徴
タペストリーの特徴としては、主に以下のような点が挙げられます。
- 文字や絵柄が自由に印刷できる
- 生地やサイズなどの種類が豊富
- 紙に比べて長持ちする
- 省スペースで簡単に設置ができる
布一面に印刷ができるタペストリーは、文字や絵柄を自由にデザインして印刷できる点が魅力です。グッズとしてイラストや写真を大きく見せたい作家や、商品のイメージ画像を目立たせつつも価格もしっかり訴求したい企業など、多くの場面でデザインの自由さが活かせます。生地や素材、サイズも多種多様なため、目的に合わせて細かい見た目にもこだわることができます。
また、基本的に布や合成紙で作られることから、紙のポスターに比べ耐久性も優れており、丸めて保管しやすいことから長持ちすることも期待できます。保管にも設置にもスペースを取らないため、他のインテリアやグッズなどに比べて扱いやすいこともメリットです。
タペストリーの用途
現代のタペストリーは、印刷技術の発展や素材の開発などにより、文字やイラスト、写真などを印刷できるようになったため、デザインの幅も広がっています。グッズ商品や企業や店舗の販促物、おしゃれなデザインのインテリア用など、多種多様なタペストリーが存在しています。代表的な用途についてご紹介します。
家庭のインテリアとして使う
本来の用途であるインテリアとしてのタペストリーも多く存在します。インテリアを扱うお店や通販、雑貨屋などでは、風景の写真やアート作品が印刷されているものなど、購入してそのまま飾れるタペストリーが販売されています。ペットや旅行先の写真などを印刷し、オリジナルのグッズとして飾っているケースもあります。
鈴木 様
愛犬の写真を載せたインテリア用
販売用の同人グッズとして使う
同人イベントなどをはじめ、個人やフリーランスで活動しているイラストレーターやデザイナー、作家などが自身の販売するグッズとしてタペストリーを作るケースもあります。結果的に、購入者にとっては先に述べたインテリアとして使うことが予測されますが、販売側にとってはグッズの選択肢の1つです。丸めての納品や運搬が可能な点もイベントに搬入しやすいポイントで、大きく綺麗に作品を印刷できることから人気のアイテムです。
企業や店舗の宣伝・販促で使う
店舗や企業では、商品やサービスの宣伝や集客を目的としてタペストリーを活用しています。印刷面は大きく確保できるうえに、空いている壁面などを有効活用してスペースを取らないことから、販促物として人気です。生地によっては屋内・屋外問わず使用できるため、店舗の入り口や店内の客席など設置できる場所も多岐にわたります。付け替えも簡単なので季節や期間限定のサービスを宣伝する目的でもよく使用されます。
ニチコラボ 様
車道に面した店舗のメニュー・看板用
展示会やイベントの会場・ブース装飾で使う
展示会やイベントなどでは、会場やブースの演出を目的としたアイテムとして、タペストリーを活用することもできます。出展ブースやスペースの賑やかしや、目隠しをかねて飾るなどの方法で使用されています。コンセプトやデザイン、カラーを他のアイテムと揃えて一緒に使ったり、ブランドイメージを押し出したりなど、得たい効果に合わせてデザインにも工夫が見られます。
株式会社アチーブゴール 様
英語教室の装飾
山の川鍼灸整骨院 様
商店街の復興用
結婚式や誕生日などの記念イベントで使う
結婚式の披露宴会場に設置する装飾や、誕生日・出産などの家庭の記念品としても、タペストリーは人気があります。デザイン次第でおしゃれな仕上がりにできたり、写真を沢山載せたりできることも、タペストリーの利点です。
神奈川県 鍛代 様
披露宴の装飾用
北山 様
結婚式での会場装飾用
タペストリーの生地や選び方
タペストリーはさまざまな生地で制作されています。布生地や合成紙など、それぞれ耐久性や印刷の仕上がり、生地の質感などが異なり、用途や目的にあったものを選ぶことが大切です。
タペストリーとしてよく使われる生地には、テトロンポンジ、トロマット、ターポリン、ユポ、スエードがあります。
布生地は、短期間の使用にはテトロンポンジ、しわになりにくさ・持ち運びやすさ重視ならトロマットというように、使用場面に応じて生地を選ぶとよいでしょう。インテリアやメニュー表などにおすすめです。
ビニール生地であるターポリンは、雨風に対しても耐水性が見込めます。屋外での長期使用におすすめできます。
ユポ(合成紙)は湿気に強く、破れにくい性質を持っています。発色もよいので、写真やイラストなどの印刷に適しています。
スエードはなめらかな質感と柔らかな光沢が特徴です。発色がよく、イラストや写真をきれいに見せたいグッズや、観賞用のインテリアなどのタペストリーにおすすめです。
生地の詳しい解説は、取り扱い生地一覧でも説明していますので、ぜひチェックしてみてください。
取り扱い生地一覧を詳しく見るタペストリーの制作や設置をする上での注意点
タペストリーの制作や設置をする際は、以下の点に注意しましょう。
- 設置箇所が損傷しないようにする
- 高温多湿を避けて丸めて保管する
賃貸でタペストリーを使用する場合、設置に伴って発生する可能性がある穴・傷など、設置箇所の損傷には十分注意しましょう。タペストリーは一般的に上部についた紐をどこかに引っ掛けて設置します。紐をかけられる形状の物や場所がない場合、画鋲やフックなどで設置できる環境を作る必要があるかもしれません。
また、タペストリーの保管時は印刷面を内側にして軽くたたむか、きっちりと巻くようにしましょう。特に長期間保管する場合には色移りを防ぐため、高温多湿の場所は避けて保管してください。
まとめ
タペストリーには「つづれ織り(綴織)」という意味があり、インテリアや販促、イベントでの使用など、多くの場面で使われます。使用される生地も用途に応じて様々なものが選べます。タペストリーの意味や用途を知って、今回紹介した例を参考に、ぜひオリジナルのタペストリーを作ってみてください。